はじめに その3 :もともと日本が大好き??だった彼・・・

70年前、異国の地に置き去りにされた日本の神社遺跡の数々。

それらを探索するのは海外に行って、日本食のうどんやカツ丼を味わうのとはちょっと違う・・・。

ガイドブックに載っていない、紹介もされない・・・。

台湾に残された日本文明の謎・・・。

前回の続きです。



tie15uk_2938.jpg1946年に神社の建物がそのまま中華民国の戦死者などを祀る忠烈祠に利用された例(桃園神社跡)。ここはその後様々な変遷を辿り、今では結婚式の写真のロケに使うなど台湾人に親しまれています。





*日本と中華民国の関係とは・・・


1945年、日本は敗戦によって台湾を去り、代わりに日中戦争で敵対していた蒋介石率いる国民党が台湾を統治していくことになります。戦後中国での共産党との内戦で敗北した国民党は、大陸での中華民国再興を掲げ、台湾を拠点にするために移動してきたのです。台湾の住民には日本が去って喜ぶ人、同民族の中国人が来る事に期待を持った人々もいましたが、日本兵として戦地にいった方々は、台湾へ帰還したら敵国になっていたという、複雑な気持ちを持った人もいました。


ちなみに台湾で生まれ育った台湾人を「本省人」、戦後国民党と共に台湾へ移動してきた中国人を「外省人」と呼び、二重構造になっています。


国民党の政治が進むなか、台湾人たちはだんだん不満を覚えるようになります。そして台湾人たちの抗議に対し、国民党は機関銃を向けました。 28千人にも及ぶ犠牲者を出したといわれる、二二八事件(1947)です。


この事件がきっかけで、国民党は以後40年にも及ぶ戒厳令を敷くことになります。言いたいことも言えない時代となり、二二八事件の記憶を薄れさせるため、そして日本の記憶を忘れさせるために反日教育の強化をし、強硬的になっていきます。民主国家を謳って孫文を中心に成立した中華民国ですが、それとは裏腹に独裁的な政治を行っていくことになります。


その一方で、戦後の日本と中華民国は政治的に親密になっていきます。「日華平和条約」締結時に、蒋介石は日本の戦後賠償を放棄したのです。それは日本が戦後復興を早めるのに助かった面もありました。また中華民国も、日本が台湾中に作ったインフラ、建造物など、たくさんの資産をまるごと手に入れて、戦後の台湾発展のベースになったのです。


日本の政治家は何度も訪台し、関係を深めます。そもそも蒋介石は若い頃に日本の軍隊に留学していて、親日家だったといわれています。辛亥革命の頃には日本と中国を行ったり来たりし、孫文と共に日本人の協力もあって中華民国を成立させました。それが何の因果か、日本と憎しみ合う戦争となりましたが、過去のそのような関係は戦後も続いていたのです。




ubpc18_0082.jpg            ip4s_2728.jpg        介石の銅像。台湾ではあちこちに見る事が出来ます。右も介石の銅像ですが、公園でのイベント時に銅像が見えないよう隠されている光景に遭遇(花蓮にて)。台湾人のひそかな抵抗に思えました。




蒋介石は国民党軍の再教育のため、日本の元軍人を軍事顧問として採用します。中華民国としての国軍を作るためです。(日中戦争の頃の中国は、混沌としていてあちこちに軍閥が生まれ、戦国時代だったのです。日中戦争とはその一つである介石率いる国民党の軍との戦争だったのです。)

それらの日本の元軍人たちは表向き中国人として、白団と呼ばれました。これは蒋介石の依頼に日本の元軍人さんが進んで協力したのです。1949年の金門島の戦いでは日本から陸軍中将だった方が秘密裏に台湾へ渡り、戦いを指揮し、今の台湾の存立に一役買いました。
敵だったのに、何故そこまで日本人が・・・?


終戦時の演説で蒋介石は「旧悪を念わず」と「人に善を為す」を中国伝統の徳性と説き、日本人に対して報復はせず、保護し、安全な帰還に協力し、恨みを得で返す、と演説しました。
その他、連合国が望んでいた、日本列島分割案、国民党軍の日本駐留も拒否し、天皇制の存続を望みました。

そのような介石の対応に恩義を感じて、元軍人たちは中華民国のために行動したのではと・・・。


一方、終戦後ソビエトや毛沢東の共産党などが支配した満州、朝鮮半島北部にいた日本人や日本軍人は、祖国日本への帰還がかなり困難だったのです。シベリアに抑留されたり、日本人と知れば民間人も暴行や殺害に遭い、命からがら帰ってきたのです・・・。


蒋介石と日本との関係は、大変興味深いですね。




IMG_0264.jpg 初めての台湾で、帰りの空港でついつい買ってしまったお人形・・・。













その4に続く・・・。   神社が破壊されていく・・・



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